日本共産党

2004年6月30日(水)「しんぶん赤旗」

多くが占領継続に危ぐ

イラク「主権移譲」でアラブTV


 【カイロ=小泉大介】イラクで二十八日に実施された「主権移譲」に関し、アラブの衛星テレビは同日、イラク国民の反応を伝えました。「占領終結への第一歩」と歓迎する意見もありますが、実質的な占領の継続を危ぐする声が多数です。

 アラブ首長国連邦のアルアラビアは「暫定政府にチャンスを与えようとの合意があるようだ」とし、「主権を受け取った今日は良い日だ」「暫定政府が国民の側によりそって仕事をするよう要望する」などの声を伝えています。

 一方、カタールのアルジャジーラは、「イラク国民の全体的な反応は悲観的なものである」と指摘。イラク政治評論家のアルジャスール氏の「多国籍軍が軍事作戦と治安維持に関する決定権を握っているかぎり、イラク人の主権は実現しない。主権移譲が前倒しされたのは、イラク政策で欧州の支持を欲したブッシュ米大統領が、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の日程に合わせたのだろう」とのコメントを紹介しました。

 さらに同テレビはイラク国民の声を次のように伝えています。

 「主権移譲はイラク再建の第一歩ではない。すべての占領軍がイラクから撤退しないかぎり主権はむしばまれたままだ」(中年男性)、「暫定政権は主権を手にしたあとも何もできないだろう。なぜなら実権はあくまで米国が握っているからだ」(若い男性)


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp