日本共産党

2004年7月1日(木)「しんぶん赤旗」

糖尿病や高血圧の患者

健保3割負担で受診抑制

厚労省調査で明らかに


 サラリーマン本人への健康保険三割負担の導入後、糖尿病や高血圧患者が、必要な治療を抑制していることを示す厚生労働省内の研究報告が三十日までに明らかになりました。

 小泉首相は「必要な医療が抑制されることはない」と負担増を強行しましたが、偽りは明白です。

 報告は、畝博・福岡大医学部教授らがまとめた厚生労働科学研究。高血圧患者二百十一人と糖尿病患者六十六人を対象にした調査です。三割負担が実施された昨年四月前後の動向から分析しました。高血圧、糖尿病とも患者数が多く、長期にわたる継続治療の効果が高いと科学的に証明されていることから、影響調査の対象としました。

 受診抑制の顕著な影響を示したのは、糖尿病で合併症を持っていないケース。受診した月数が、導入前の5・22から導入後は4・59に低下しました。処方月数も5・02から4・00へ減少し、「服薬を必要とする患者の治療中断と考えられる」と分析しています。

 高血圧患者は受診日数が低下していました。

 患者調査で、負担できる限度はいくらという質問に一番多かった回答が月額五千円。合併症のない糖尿病の三割負担額は月平均で六千三百三十円となり、五千円を超える負担が受診抑制になったと分析しています。

 調査をふまえた考察として、糖尿病は自覚症状がなく受診にメリットを感じにくいが「自覚症状のない間の治療が合併症を予防」できるとし、「自己負担増により医療へのアクセスが阻害されるならば、将来、糖尿病による合併症を併発した多くの患者を抱えこむことになる危険性がある」と指摘。労働者の健康を損ない、医療費増にもなることを警告しています。


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自民・公明の責任は重大

 小池晃参院議員・比例候補の話 「必要な受診が抑制される」と私たちは指摘してきましたが、政府の研究班の調査で実態が明らかになりました。高血圧や糖尿病などの治療を中断した場合、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)、視力障害や腎不全など深刻な影響(合併症)が生まれます。ただちに三割負担から二割負担に戻すよう求めていきたい。「受診抑制は起こらない」とのべて改悪を強行した自民党、公明党の責任は重大です。医療でも参院選挙できびしい審判を訴えたい。



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