2004年7月2日(金)「しんぶん赤旗」
「これは、ええな」。最低保障年金制度を提唱する日本共産党の政策を訴えると共感が広がる――。大阪府の八尾・柏原生活と健康を守る会内の日本共産党後援会員の実感です。無年金の人は「私らも年金もらえるのはありがたい」、四十年保険料を払っても月六万円台の国民年金では…といっていた人も「それなら掛けがいがある」と歓迎します。
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後援会員の渋谷英雄さん(71)=八尾市=は八年前に妻を亡くし、月六万円足らずの国民年金で一人暮らしです。「共産党のいう月五万円の最低保障年金ができたらほんまにええなあ。共産党を大きくして実現させたい」。いま年金問題を語って百人以上と対話し、支持を広げています。
「まあ、見てください」。渋谷さんは年金の振込通知書と国民健康保険料の通知、公共料金の領収書を広げました。
十七歳から三年前まで左官職人として働いてきました。年金は国民年金で月五万九千六百八十円。二年前より月七百二十円減りました。消費者物価の下落を理由に自民・公明が年金額を連続して引き下げたからです。年金から介護保険料月二千四百三十二円が天引きされます。他方、支出は減免された府営住宅家賃が月四千三百四十円。糖尿病のため月二回通院する医療費が月二千円。さらに国保料、水光熱費、電話代などを引くと二万五千円程度しか残りません。
食費を切り詰め、お総菜はもっぱら閉店間際のスーパーで五割引きのを買います。視力が急に衰えたのが気にかかっていますが、医者代が心配で眼科の通院を控えています。
それでも生活費は足りず、蓄えを毎月四、五万円取り崩してしのいでいます。このペースで行くと、あと五、六年でそれも底をつきます。
「通帳を見るたびに不安で不安で…。『蓄えがなくなったらホームレスの仲間入りや』いうてますねん。年金改悪でこの少ない年金が減らされたらどないなるんやろ。せっしょうやな」
そんな渋谷さんにとって改悪年金法を廃止し、最低保障年金制度をつくるという日本共産党の提案は、願いにぴったりこたえるものでした。実現すれば、渋谷さんの年金は当面月八万円弱になります。
「これはええ。私らみたいに年金の少ない人、全国にようけ(大勢)いてはると思うんですわ。その人らが救われます。ほんまにできたらよろしいな」。思わず顔がほころびます。
迎えた参院選挙。渋谷さんは「なんとかして共産党を大きくせんと、われわれみたいな人がうば捨て山に捨てられる世の中になってしまう」と、これまで百人以上と対話、日本共産党への支持を広げてきました。
「しんぶん赤旗」の購読を勧めながら、「年金どうですか」と問いかけると、「年金減らされた。ただでも少ないのにどないもならん」と、どこでも対話になります。
「これまで一回も選挙にいったことがない」といっていた同じ団地の七十代の夫婦が年金改悪に怒って、「一回(日本共産党の)話を聞いてみたい」と声をかけてくるような変化も起こっているといいます。
「年金で話せば、たいていの人は、うんうんとうなずいてくれます。『百年安心にだまされたらあかん。民主党も年金のために消費税8%や』というと『たまったもんやないわ』とみなさん顔をしかめます。大企業に甘い政治のゆがみをただし、税金の使い方や、集め方をあらためれば共産党のいう最低保障年金は実現できます。ヨーロッパにはどこでもあるいうやないですか。年寄りをないがしろにする政治への怒りを結びつけて日本共産党を勝たせたい」。渋谷さんはきょうも対話を広げています。
日本共産党は“財界が主役”のゆがんだ財政をただし、全額国庫負担で、無年金の人を含め毎月五万円の年金を保障、そのうえに掛け金に応じて加算分を上乗せする最低保障年金制度を提案しています。
たとえばいま国民年金が月四万円の人は、最低保障の月五万円のうえに、いまの年金の半分の月二万円を積み上げるので、もらえる年金は月七万円になります。 これなら国民・厚生・共済の各年金を合わせて全体の八割の人の年金は増額となり、給付額の下がる人は一人もでません。