2004年7月7日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク中部ファルージャで五日夜、多国籍軍を主導する米軍が民家を爆撃し、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによると、民家の住民などあわせて十二人が死亡、五人が負傷しました。現地病院関係者は、死者には女性や子どもも含まれているとしています。
今回のファルージャの民家爆撃は、六月十九日以降五回目で、イラク人死者の合計は約七十人に。「主権移譲」後では二回目となり、占領軍から名前を変えた多国籍軍の実態になんら変化がないばかりか、イラク暫定政府の追従姿勢とあわせ、その軍事作戦がより危険性を増していることを浮き彫りにしています。
米軍は五日の爆撃で、五百ポンド爆弾四発、千ポンド爆弾二発を投下。米軍報道官は今回の爆撃に関し、「米軍戦闘機がムジャヒディン(イスラム戦士)の隠れ家を空爆した」などとのべましたが、現地住民は犠牲となったのは「普通の家族だ」と強く抗議しています。暫定政府のアラウィ首相は声明で、イラク治安部隊が多国籍軍に国際テロ組織アルカイダと関係があるとされるザルカウィ氏の居場所に関する情報を提供したとし、爆撃を肯定しました。
五日夜には、首都バグダッドで、米軍の制止に従わなかったという理由で同軍兵士がイラク人の乗った車を銃撃し、子ども二人が死傷する事件も発生しました。