2004年7月7日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】米軍が五日に行ったイラク中部ファルージャの民家爆撃に関し、同軍はテロリストの隠れ家を攻撃したと主張していますが、現地住民はこれを真っ向から否定しています。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラの現地記者は、爆撃地周辺は引きちぎられた犠牲者の肉体の一部や子ども服や本が散乱していると報告。多くの市民が現場に集まり、生存者がいないか懸命に捜索する姿とともに、怒りに満ちた住民の声を伝えました。
ある男性は同テレビに対し、「米軍はひとかけらの道徳も持っていない。こんなことが起きる国には人間性も存在しない。(発見された子どもの衣服を手に掲げながら)これが米国の爆撃の理由か。なぜだ。ここは罪のない人々の家ではないか」と訴えました。
「イラクのどこに人権があるというのか」「イラク暫定政府はこの事態を受け入れられるというのか」などの声も住民からあがり、批判の矛先は暫定政府にも向けられました。
度重なる米軍の民家爆撃に対し、アラブでも「ファルージャ住民への新たな大量虐殺」(エジプトのアルアクバル紙)「米軍が関与した新たな戦争犯罪」「野蛮な攻撃」(同アルワフド紙)などの批判が高まっています。