日本共産党

2004年7月7日(水)「しんぶん赤旗」

“戦闘しないはずだ”

ウクライナ兵、抗議の帰国


 【モスクワ=田川実】戦闘はしないはずなのに話が違うと訴えたウクライナ兵一人がこのほど、イラクから帰国しました。同様の抗議をした別の兵士は部隊の食事係で働くことが許されました。

 ウクライナは約千六百人をイラクに派遣しています。派兵に際して国会は、ウクライナ軍は人道・復興支援を行い戦闘に参加しないと決議。兵士らにも同様の説明がされました。給与は本国の十倍近く千二百から千三百ドルとされ、多くの兵士、将校が派遣部隊に応募しました。

 ところが現地では戦闘でウクライナ軍の死傷者が相次ぎ、約束の給与も六百ドル余り。二人は上申書を出しましたが、司令官らは長期にわたり無視。切羽詰まった二人は五月、イラクから携帯電話でウクライナ国会付属のカルパチョバ人権委員長(オンブズマン)に助けを求めました。

 カルパチョバ氏が訴えを公表したため、ただでさえ世論が派兵に批判的なウクライナでは大問題に。同氏は「部隊幹部は、パニックが広がるのを恐れて訴えを黙殺した」と指摘。軍は六月に二人の帰国と配置換えを許可しました。

 昨年十月以来、ウクライナ軍のイラクでの死者は七人、重傷者二十人。そのうち昨年十一月の通訳官、今月二日に警備中の兵士は、自殺です。 


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