日本共産党

2004年7月9日(金)「しんぶん赤旗」

英労働党員7年で半減

ブレア政権に労組反発

イラク戦争、反労組政策

“保守党と変わらない”


 【ロンドン=西尾正哉】英労働党の伝統的な支持基盤である労働組合は、労働党がイラク戦争や反労組政策を変えないことに反発、同党離れを加速させています。このため同党の党員数も激減しています。


 英労働党はもともと労働組合から出発。いまでも最大労組の英労働組合会議(TUC)加盟の各労組は、労働党に団体加盟しています。

 ところが労働党加盟労組の一つ、都市一般労組(GMB・組合員六十万人)は六日、中央執行委員会で労働党が依頼した献金、七十五万ポンド(約千五百万円)を拒否することを決定しました。また、選挙では、民営化や年金、労働者の権利などの課題ではっきりとした“労働者の立場”に立つ候補者だけを支援することを打ち出しました。

 この背景には、ブレア首相の右寄り路線「ニューレーバー」(新労働党)がイラク戦争強行の外交・防衛政策でも、労働者の権利擁護でもサッチャー保守党と変わらないとの批判が噴出していることがあります。

 GMBのクーラント書記長は労働党政権の継続は、「英国民のすべてに社会正義を実現する政府である場合だけだ」と述べ、ニューレーバー路線の転換を求めました。

 一方、消防士労組(FBU)は六月十七日の定期大会で、「労働党の目指すものはFBUのそれを反映していない」との決議を採択、八十六年に及んだ同党との関係に終止符を打ちました。

 FBUは賃上げを求めてストライキを一昨年から数度にわたり実施しました。労働党政府の対応は冷たく、公共サービス切り捨て政策ともあいまって組合員の間で怒りが高まっていました。大会代議員の一人は「裏切られてきた」とBBC放送に語りました。

 また鉄道海上輸送労組(RMT)は二月の大会で、労働党の警告を無視し労働党以外の候補を選挙で支持することを決め、労働党から除名されました。同労組は、イラク戦争を厳しく批判し、ブレア首相を「戦争犯罪人」と指摘。政府の鉄道民営化推進政策に強く反発していました。

 相次ぐ労組の離反もあり労働党の党員数は減少の一途です。労働党が政権に返り咲いた一九九七年には四十万七千人いましたが、昨年末には二十一万五千人となり、七十年ぶりの少なさとなっています。


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