2004年7月10日(土)「しんぶん赤旗」
参院イラク有事特別委員会の自民、公明、民主の理事六人が、参院選直後の十三日から二十四日までの十二日間、有事法制にかかわる「民間防衛制度の実情調査」などの目的でシンガポールなど四カ国に公費で視察に出かけることが九日までに分かりました。選挙がある時は改選議員の任期開始後に院として派遣するのが通例ですが、今回は任期開始(二十六日)前の異例な派遣です。
派遣メンバーは自民党の田村公平、常田享詳、舛添要一、民主党の斎藤勁、若林秀樹、公明の高野博師の六氏。派遣国はシンガポール、スイス、ドイツ、フランス。費用は随行員二人分を含めて千三百八十六万円。
今回の視察は「調査結果を委員会等の審議に効果的に反映させるため」「重要かつ緊急性のあるものに限定する」としている「重要事項調査」にあたるとしています。
重要事項には有事法制など七項目があがっていましたが、改選を控えているため参院選後に協議することになっていました。ところが、田村理事が宮崎秀樹議院運営委員長に申し出、了承を得て派遣となりました。
同特別委員会では先の国会で、米軍の戦争に自治体と国民を動員する有事関連法が自民、公明と民主の賛成で成立しました。日本共産党などが徹底審議を求めたのに、公聴会さえ開かずに強行したのです。そこまで成立を急いだイラク有事特の理事を成立後に、「審議に反映させる」「緊急かつ重要」な調査だと称して、異例の派遣をおこなうことになります。