日本共産党

2004年7月10日(土)「しんぶん赤旗」

自民・山崎氏「大連立」発言

自・民・公=改憲勢力の政党状況を反映


 自民党の山崎拓・前副総裁が、六日の米シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)での講演で、改憲問題で自民、民主、公明三党による「大連立」が組まれる可能性があるとの見通しを示したことは、憲法改定をめぐる政党状況を反映した発言といえます。

 山崎氏の発言は、「次期衆院選は憲法改正が最大の争点となる」としたうえで、二〇〇七年の衆参同日選を想定し、自民・民主・公明がそれぞれ改憲案を出し、“過半数を得た党の改正案を基本に超党派で(改憲草案が)つくられることになる”というもの。その際、憲法改定をテーマに政界再編か、自民、民主の「大連立」がつくられ改憲草案の発議がおこなわれるという見通しです。

 改憲のための「大連立」は、山崎氏の持論ですが、小泉純一郎首相も、今回の参院選で「自由民主党、公明党、そして民主党も憲法改正に賛成ですから、時間はかかるが、…より分かりやすい憲法に表現を変えるべきだ」(六月二十七日、NHK討論)とのべ、憲法改定問題での「三党協力」に期待を表明しています。首相は、今年一月の代表質問でも、民主党代表に対して、「一党だけで憲法改正ができると思っていない」として、民主党との「十分な協議」を強調しました。

 民主党も、今年の党大会で二〇〇六年までに改憲草案をまとめることを決定し、その土台となる「憲法提案」の中間報告を参院選前にまとめるなど、自民党を中心とした改憲スケジュールにそった動きをしています。岡田克也代表は「憲法を改正し、国連の明確な決議があるときに、国際社会と一体となって、日本も武力行使に参加するということは、考える余地がある」(〇三年十二月二十日)とのべています。

 自民、民主、公明議員らでつくる「憲法調査推進議連」には、自民二百十六人、民主八十七人、公明十二人が参加しています。(三月の総会時点)

 第二次世界大戦の五千万の犠牲のうえにつくられ、日本が世界に誇るべき宝である憲法九条がこうして、「自民、民主、公明総がかりで削り落とされようとしている」(日本共産党の不破哲三議長)状況を許さないためにも、今回の参院選で自民、民主、公明の改憲勢力にきびしい審判をくだす必要があります。

 藤田健記者


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