2004年7月13日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】六月二十八日の「主権移譲」から二週間が経過したイラクでは、多国籍軍に名前を変えた米軍への攻撃が多発し、死傷者の数も急増しています。
同国の首都バグダッド北方約百キロのサマラでは十一日午後、市内をパトロールしていた米軍車両が道路脇に仕掛けられた爆弾の爆発に遭い、米兵二人が死亡、三人が負傷しました。同地では八日にも国家警備隊施設に迫撃砲が撃ちこまれ米兵五人が死亡したばかり。米軍による激しい「武装勢力掃討」作戦が市民の怒りを買っています。
イラク北部のベイジでは十一日午前、道路に仕掛けられた爆弾で破壊された米軍車両に武装勢力が銃撃を加え、米兵一人が死亡、一人が負傷しました。米軍車両そばを通行していたイラク人一人も死亡しました。
またイラク駐留米軍は十一日、イラク西部アンバル州で十日、軍事作戦中の米海兵隊車両が事故を引き起こし、同隊員四人が死亡したと発表しました。
十一日の相次ぐ米兵死亡により、「主権移譲」後二週間の米兵死者は三十人を超え、昨年三月のイラク戦争開戦以降の死者総数は八百八十三人に達しました。
イラク中部バクバでは十一日、数百人の市民が、特別法廷での訴追手続きが開始されたフセイン元大統領を支持するデモをおこなうなど混乱も広がっています。