2004年7月16日(金)「しんぶん赤旗」
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ブッシュ米政権が進める世界規模での軍事態勢の再編で、グアムの米第一三空軍司令部を横田基地(東京都)の米第五空軍司令部に統合する構想があることが十五日、明らかになりました。米側は同日からサンフランシスコで開かれる日米外務・防衛担当審議官級協議で、同構想を含めた在日米軍再編案を日本側に提示し、協議を本格化させる考えです。
グアムのアンダーセン基地にある米第一三空軍は「南西太平洋・インド洋地域での航空作戦を計画、実行、統制することが任務」(同ホームページ)。同基地は、長距離爆撃機や空中給油機の前進配備拠点で、米本土から中東などへの出撃中継基地にもなっています。
構想では、同司令部を廃止し、横田基地にある米第五空軍司令部に統合します。これが実行されれば、同基地に置かれる新たな司令部は、西太平洋からインド洋、アフリカ東海岸までの広大な地域全域を管轄することになります。
同時に、日米両政府は、航空自衛隊の全戦闘部隊を指揮・統括する航空総隊司令部(東京都)などを横田基地に移転することも検討、日米両軍一体化のいっそうの促進を狙っています。
このほか、在日米軍の再編をめぐっては(1)アジア太平洋地域への緊急展開軍である米陸軍第一軍団の司令部(米ワシントン州)をキャンプ座間(神奈川県)に移転(2)沖縄に駐留する米海兵隊の一部をキャンプ富士(静岡県)やキャンプ座間に移転――などの構想が浮上しています。
日本にはすでに、西太平洋からインド洋、アフリカ東海岸までを責任区域とする米第七艦隊(神奈川県・横須賀基地など)や米第三海兵遠征軍(沖縄県など)が駐留しています。これらに加え、在日米軍の再編案が実行されれば、日本は、米軍が世界規模で軍事作戦を展開する一大拠点、ハブ(基軸)基地としてさらに強化されることになります。