2004年7月22日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 ハローワークの民営化について、日本共産党はどう考えていますか?(東京・一読者)
〈答え〉 ハローワーク(公共職業安定所)の民営化に、日本共産党は反対です。憲法第27条は、国民の勤労権を保障しています。求職者に対して仕事を紹介するのは、この国の責任を果たす一環の事業です。民間にまかせてしまう民営化は、それを放棄するものです。
現段階では、ハローワークを民営化して、国民へのサービスがどのようになるか、業務をどうするのかなど、基本的なことは明らかになっていません。言われているのは「民間の方が効率的」などという程度のものです。職業紹介事業をどうするのか、求職者から「料金」を取るのか、雇用保険の失業給付や雇用関係の各種助成を民間会社にまかせてしまうのか、それとも、職業紹介だけ民営化するのかなども明らかにしておらず、まったく無責任な議論です。
民間の職業紹介事業が「解禁」されていますが、実際に就職してみたら労働条件に違いがあったなど、問題が多く起きています。たくさん紹介し、たくさん就職させれば収入が増える、そのために都合の悪いことは隠して紹介する、などということが起きやすくなっています。
いま、ハローワークでも、民間でも、就職雑誌でも、正社員募集は少なく、派遣や業務請負が増えています。勤務地が「奈良県だったのに、一週間したら名古屋の別会社に派遣され、行けないならやめろといわれた」など、勤務場所さえも「話が違う」という例が多発し、厚生労働省が「勤務地を明確にせよ」と行政指導をするほどです。
失業中の求職者から「料金」を徴収したり、「業績」を競い合うことが、本来の姿とは思えません。
現在、ハローワークでは、求職者が多く、職員不足で、ていねいな対応ができないなどの状況もあります。おおもとは雇用情勢の悪化にありますが、同時に、ハローワークのサービスの拡充も大切です。(亜)
〔2004・7・22(木)〕