2004年7月23日(金)「しんぶん赤旗」
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日本人人質解放に尽力し、今回初来日となるイラク・イスラム聖職者協会のアブドルサラーム・クベイシ師ら六人のイラク宗教指導者は二十二日、京都で開かれたシンポジウムでイラクの現状を報告し、イラク復興における宗教者の役割、日本への期待、平和の取り組みなどについて語りました。
シンポジウムは、「イラクにおける平和構築 諸宗教に課せられた役割」をテーマに世界宗教者平和会議(WCRP)と同日本委員会が主催したもの。
シンポジウムには、イラク国内のイスラム教スンニ派、シーア派、カトリック、クルド人共同体の各代表者が参加。イラクの現状を「対話が差し迫って必要」(サイード・ハッサン・バハラロム師)などと報告、対話による相互理解により連帯してイラクの復興、イラクにおける平和構築にあたることが必要不可欠だと強調しました。
また今回来日したイラク人宗教指導者の共通の意思として、「心身ともに傷ついている子どもたちの救済プロジェクトを宗教や宗派、民族性の違いを超え立ち上げる」、「すべての殺りく行為、暴力行為、人質捕獲、破壊行動を拒絶する」など七項目の共同声明が発表されました。
白柳誠一WCRP日本委員会理事長は「違いというのはマイナスではなく、違いによって世界は豊かになる。対話により互いに相手のすばらしいところに気づき、反対に相手に与えることができます。与えることは愛し合うことです」とシンポジウムを締めくくりました。