日本共産党

2004年7月26日(月)「しんぶん赤旗」

教育基本法生かす教育こそ

壮大な共同へ 特別決議

憲法守れ集中討論 全教大会が閉幕


 千葉市内で開かれていた全教(全日本教職員組合)第二十一回大会は二十五日、三日間の日程を終え、閉幕しました。

 憲法と教育基本法改悪の動きが急浮上し緊迫するなか、冒頭に改憲・法改悪を許さず、守り生かそうと集中討論を実施。「百万教職員の共同と団結、圧倒的な父母・国民との壮大な共同をつくりあげよう」との特別決議を採択しました。

 小泉「構造改革」のもとで義務教育費の国庫負担制度の廃止をねらい、“エリート偏重”で大多数の子どもたちを切り捨てる競争教育を激化させる「教育改革」がすすめられていることに対し、「子ども参加、父母・地域の共同による学校づくり」の大運動をすすめていこうと確認しました。


教育めぐる運動を交流 大会討論から

高校統廃合反対、人口超す署名

日の丸掲げず、子ども中心卒業式

 討論では、父母や地域との共同をすすめ、教育や教職員にかけられている攻撃をはねかえしていく意気込みと教訓に富んだ発言が相次ぎました。

 香川県高教組の代議員は、「教育改革」の名で高校の格差拡大と統廃合を推進していることに対し、善通寺市では組合と生徒、高校OBが市の人口を超える三万七千人の反対署名を集め、「夢のような数字が現実になった」と報告。生徒が街頭署名の先頭に立ち、「生徒から励まされて教職員が大きく成長した」とのべました。

 北海道の農業高校に勤める女性代議員は「地域に根ざした農業高校の統廃合はやめて」と道議会に要請した経験を発言。「私の話を聞いてくれるのか」と思いながらも熱心に訴えると、地元道議は「先生たちは学校のことをそんなに考えてくれているのか」と感動し、市長も「先生と同じ気持ちだ」とのべ、道議と市長が高校を訪問したといいます。「地域の思いは同じ。声を届けるのが大事」と語りました。

 高知県教組代議員は、五十四の市町村などの教育長との懇談をくり広げてきたと強調。義務教育費の国庫負担制度を守ろうとの訴えには、全員が賛同し、教職員を校長が評価する「教職員評価制度」についても「校長の機嫌をとる先生が育つ」との意見もあり、政府主導の「教育改革」と地域との矛盾が大きく広がっていると報告しました。

 「日の丸・君が代」を“踏み絵”にして教職員を処分する異常な攻撃を強行している東京都。都教組の代議員は、父母にひどい事態を訴え、地域で宣伝するなか、「子ども中心の卒業式を」の声がわきあがり、日の丸を掲げない手づくりの卒業式を実現したと報告。障害児学校教職員組合の代議員も、教育内容の介入がおこなわれた七生養護学校(日野市)で、広範な市民と一緒に反撃しているとのべました。

 愛知県の高教組の代議員は、教育基本法問題で宗教者に働きかけ、地域ごとに懇談会を開いている活動を紹介。「教育基本法を考える東三河の会」は、懇談会で「予想外の人が集まり、主催者のほうがびっくりしている」と発言しました。

 富山高教組の代議員からは、教育基本法の早期「改正」を求める意見書が県議会で採択されようとする事態に対し、新日本婦人の会とともに全会派に要請し、抗議のファクスを集中するなどで採択を断念させたと報告。共同の運動をさらに広げたいと発言しました。

 臨時採用の教職員問題では、組合として臨時採用者を対象にした学習会やサークルづくりにとりくんでいるとの発言や、「青年は職場で孤独」という青年教員の切実な声を受けとめ、「先生の学校」と題した学習会を開くなど、多彩なとりくみを報告しました。


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