2004年7月27日(火)「しんぶん赤旗」
卒業式の「君が代」斉唱の際に、起立しなかったとして処分された教員ら二百二十八人が、都教育委員会と都を相手どり、強制に従う義務がないことを確認する予防訴訟(国歌斉唱義務不存在等確認訴訟)を起こしている裁判で二十六日、第四回口頭弁論が東京地裁で行われました。
口頭弁論で都立高校の教員は、「卒業学年の担任として(「君が代」斉唱への起立の)決断を迫られたが、生徒に主体的に考え、表明することの大切さを訴えてきた者として、『思想・良心の自由』を踏みにじるような命令には従えなかった。それは教師として、最も大切にしてきたことを否定することになり、生徒に訴えてきたことを裏切ることになるからです」とのべました。
都立肢体不自由養護学校の教員は、「日の丸・君が代」を強制する都教委の「通達」により、対面式の卒業式から、卒業生らが「日の丸」を掲げた舞台を向く卒業式に変えられた様子をのべました。「生徒全員が車いす乗車を強制された。担任が、生徒の後ろの席から立ち上がって生徒の顔をのぞき込み、呼吸などの安全を確かめなければならなかった。生徒の安全性を無視した『通達』に怒りを覚えた」と違憲性・違法性を訴えました。
訴訟代理人弁護団は、本件訴訟の原告のうち、不起立などの「職務命令違反」を理由として戒告処分ないし減給処分を受けた人が、九十八人にのぼることを明らかにしました。