2004年7月28日(水)「しんぶん赤旗」
自民、公明両党が強行した年金改悪法に四十カ所もの条文ミスがあった問題で、政府は二十七日付の官報で正誤表を載せて訂正しました。
訂正が掲載されたのは、官報の最後の三十一ページと三十二ページ。「目次」にも訂正の紹介がいっさいなく、突然、「正誤」と書かれた題目が始まり、読んでもなかなか理解できないような条文訂正の記述だけが延々と続きます。条文ミスの経過やその意味など国民への説明はまったくありません。
今回の条文ミスが放置された場合、加給年金の受給者四百三十二万人をはじめ、合わせて五百万人以上に影響が及ぶことが、日本共産党の求めに応じて厚生労働省が提出した資料で明らかになっています。
野党は、重大問題であり、先例からいっても正誤表の掲載だけではすまされないとして、修正案の提出と国会での審議を求めていました。しかし、政府・与党はこれを拒否し、官報の訂正だけですませました。
今回の訂正は、条文ミスが四十カ所に及んだという点でも、官報による訂正は軽微なもので全党が一致したものに限るとした先例を破り、野党との合意のないまま、政府・与党が一方的に強行したという点でも、きわめて異常なものです。国民に“百年安心”とうそをついて年金改悪法を強行したことに続き、前代未聞の条文ミスでも国民に説明せず強行するという政府・与党の国民無視の姿勢を示しています。