2004年7月28日(水)「しんぶん赤旗」
東京の保護者や教育関係者などがつくる「『良心・表現の自由を!』声をあげる市民の会」と「都教委通達の撤回を求める会」など市民団体や個人は二十七日、東京都教育委員会にたいし、卒業式・入学式で「君が代」を起立斉唱しなかったなどとして処分された教職員に対する「服務事故再発防止研修」を中止・撤回するよう要請しました。
横山洋吉都教育長あての「都教委の一連の対応は、日本国憲法に保障された、表現の自由、思想・良心の自由を侵害する、教育に対する許しがたい不当な介入である」と抗議する要請書などを手渡しました。
参加者は要請後に記者会見。「学校現場は命令と服従、処分と脅しがまん延している。こういうことで本当に子どもたちをはぐくむ教育ができるのか」(都立学校の教員)、「都教委は子どもたちに思考停止、刷り込みをしようとしているのではないか。子どもたちには自分の頭で判断して自分で行動していくよう育ってほしい」(公立中学校の保護者勝守真知子さん)、「行政は教育の条件整備するところで中身に介入するところではない」(教育庁OBの長沢政治さん)などと訴えました。
都教委は昨年十月、入学式・卒業式などでの「日の丸・君が代」の扱いを細かく定めた実施指針を通達。「君が代」で起立しなかったり、生徒が起立しなかったなどとして三百人を超す教職員を懲戒や厳重注意などに処し、八月二日から「再発防止研修」を受けさせる予定です。
「教育基本法の改悪をとめよう! 全国連絡会」は二十七日、東京都教育委員会に対し、教職員に対する再発防止研修の撤回・中止などを申し入れました。
要請には中村元彦・同連絡会事務局長ら五人が参加。「東京都教育委員会は憲法と教育基本法を遵守(じゅんしゅ)」し、「日の丸・君が代」を強制し、従わない教職員を処分するなどという「やり方を即刻改め、10・23通達と実施指針を撤回」すること、「不当な行政処分及びそれに伴う『服務事故再発防止研修』については、ただちに撤回・中止」することを強く申し入れる文書を提出しました。
参加者は、都教育庁にたいし「『日の丸・君が代』や研修の強制は、思想・良心の自由に抵触する」「このような研修をするなど、あってはならないこと」などと要求しました。