2004年7月29日(木)「しんぶん赤旗」
谷垣禎一財務相と坂口力厚生労働相は二十八日、財務省内で会談し、二○○五年度予算の概算要求基準(シーリング)の焦点となっていた社会保障関係費自然増の圧縮額を、前年度基準と同じ二千二百億円とすることで最終合意しました。
この結果、一兆一千億円近くが見込まれていた同関係費の自然増は、○四年度当初予算比で八千六百億円の増加に抑えられることになります。
坂口厚労相は会談後、記者団に対し「二千二百億円は仮置きの数字であり、どう効率化できるか知恵を絞りたい。われわれも努力するが、財務省も努力してほしいとお願いした」と語りました。
自然増圧縮の具体策として、介護保険制度や生活保護の給付見直しなどが検討される見通し。介護、生活保護の国庫負担の圧縮・削減にともない給付費も減らされることになり、高齢者への介護サービスの低下につながる問題です。生活保護では母子加算の廃止が厚労省で検討されています。
また会談で坂口厚労相は、これまで国民年金や厚生年金の保険料で賄われ、無駄遣いが明らかになっている社会保険庁の一部事務費を一般財源から出すよう改めて要請。年間一千億円程度の同事務費の取り扱いはシーリングと切り離し、年末の予算編成時までに両省が調整することで一致しました。