日本共産党

2004年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

コンビニでの医薬品販売解禁をどうみる?


 〈問い〉 コンビニでの医薬品の販売が30日から解禁されると聞きましたが、安全性など問題はないのでしょうか?

 (神奈川・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣は医薬品販売の規制緩和のため、健胃薬など371品目の医薬品について7月末から、医薬部外品への移行をきめました。薬局薬店で薬剤師の管理のもとで販売されている医薬品を、薬効成分をそのままにして薬剤師の管理からはずし、コンビニ店などで販売できるようにしたのです。

 経団連などの規制緩和要求をうけ、44都道府県議会での反対意見や全国の薬剤師、薬害被害者団体の反対を押し切って強行したものです。

 薬の薬効とは、副作用と表裏一体のものです。日本薬剤師会は「薬効成分をそのままにして販売規制を緩和することは医薬品安全対策のさらなる強化という政府の基本方針に反する」と指摘し、薬害被害者団体は「国民の安全を最優先せよ」と主張しています。

 サリドマイド、スモンなどの教訓から薬事法改正の歴史は、副作用から国民の安全をまもるための規制強化の歴史となっています。

 フランスでは、医薬品販売は薬局に限られ、アメリカでもいま、薬の副作用による死亡事故がひろがり規制強化が政治課題となっています。

 厚労省医薬食品局安全対策課は7月15日、日本共産党の小林みえこ参院議員に、医薬部外品に移行するもののうち5件について副作用情報を報告しました。ビタミンを含有する保健薬で嘔吐(おうと)、頻脈(ひんみゃく)など、整腸薬で掻痒(そうよう)感、鼻づまり改善薬外用剤で気管支ぜんそく、薬物アレルギーなどです。小林議員は、「ハイウルソ」など7品目の副作用情報を提示し、安全対策をせまり、政府は「ハイウルソ」を医薬部外品移行品目からはずしました。

 今後は、政府・自治体に安全対策強化を求めていくこと、同時に、「副作用」を考慮し、薬剤師、医師に相談するなどの対応が必要です。

 (寺)

 〔2004・7・29(木)〕


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