2004年7月30日(金)「しんぶん赤旗」
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東京都教育委員会は、学校行事で「君が代」を起立斉唱しなかったり、ピアノ伴奏を拒否したりしたことを理由に都立学校や公立小中学校の教職員を処分した上、八月二日と九日に「再発防止研修」を強行しようとしています。これに対し、教育関係者や都民から「思想・信条の自由の侵害だ」「教育基本法が禁ずる教育に対する不当な支配そのもの」と批判が広がっています。
「研修」は八月二日、九日の午前と午後の四回に分けて実施。都教委職員が地方公務員法など教育関係法令の服務規律について講義し、「受講報告書」なる反省文の提出を強制しようとしています。さらに、減給処分を受けた教員は、この「基本研修」に加え「専門研修」を受講させられます。
横山洋吉都教育長は六月八日の都議会本会議で自民党都議の質問に対し「(処分を受けた教員を)長期の研修を行うことを含めいっそう指導を徹底する」「指導に従わない場合や成果が不十分な場合には、再度研修を命じる」などと答弁しています。
石原都政と都教委の強権的な「日の丸・君が代」強制、不当処分と、「研修」強要に対し、都内の保護者、教職員、生徒から批判があがっています。
「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」「『良心・表現の自由を!』声をあげる市民の会」「都教委通達の撤回を求める会」などが相次いで都教委への抗議や署名を広げています。「研修」当日には市民団体や労働組合の支援行動も予定されています。
都教委の「日の丸・君が代」強制 都教委は、「子どもが主人公の心温まる式を」と学校現場でつくられてきた対面式の卒業式・入学式を敵視。昨年十月、学校行事での「日の丸・君が代」実施の方法を事細かに定めた「実施指針」を決め、従わなかった教職員を職務命令違反で戒告や減給、再雇用取り消しの不当処分をしました。生徒が起立しなかったクラスの担任や、生徒に「思想・信条の自由がある」などと発言した教職員も厳重注意などに処しました。