2004年7月30日(金)「しんぶん赤旗」
財界の政策提言団体である日本経済調査協議会(理事長・橋本徹みずほフィナンシャルグループ名誉顧問)の「憲法問題を考える調査専門委員会」(委員長・葛西敬之JR東海会長)は二十九日、改憲をめざした提言をまとめました。これまで財界の中で「タブー視されてきた」憲法問題を真正面から取り組むことを強調し、改憲論議をあおっています。
提言は、「憲法改正により、軍事力使用の枠組みを憲法に明示すること」を求めています。憲法九条については、「国際社会の現実から目をそらし、平和の幻想を守ることに役立つ」ものだったと敵視。アメリカいいなりになって自衛隊を戦場に派兵している現実との「かい離」を「いまこそ埋める時期がきている」としています。
憲法の「改正」手続きについて、国会発議の条件を、総議員の「三分の二以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩和することを求めています。その上で、「党派間での合意を醸成して、憲法改正を『やってみる』ことがまず必要」と強調しています。「二大政党化」の流れのなかで、「九条の改正案はつくることができる」との認識を示しています。
この委員会には、日本最大の軍需企業である三菱重工業の西岡喬会長(日本経団連副会長)や、東芝の岡村正社長らが参加しています。