2004年7月30日(金)「しんぶん赤旗」
【ボストン=浜谷浩司】米民主党は二十八日夜(日本時間二十九日昼)、マサチューセッツ州ボストンで開催中の全国大会で、代議員による大統領候補の選出を行い、大統領候補にケリー上院議員(60)を正式に指名しました。ケリー氏は大会最終日の二十九日に指名受諾演説を行います。
これに先立ち、副大統領候補となるエドワーズ上院議員(51)が演説し、イラク戦争での「勝利」をはじめ「強いアメリカ」の建設を主張。一方で、同盟国の尊敬を回復する必要を指摘しながらも、ブッシュ大統領への直接の批判は避けました。
同氏は、ケリー同党大統領候補について、「自ら軍に志願し、ベトナム行きを志願し、最も危険な任務である高速艇の艇長をし、栄誉を受けた」と称賛。「決断力と強さ。最高司令官に最適ではないか」とアピールしました。
対テロ戦争について、「米国民の安全のためには常に軍事力を行使する」とし、国際テロ組織アルカイダを「たたきつぶす」と宣言。いかなる敵も打ち負かすため、「世界での尊敬の回復」を強調し、とりわけ、イラク安定化のため北大西洋条約機構(NATO)の支援を確保できると述べました。
また、特殊部隊を「倍増」し、新たな装備を導入することで「一つひとつの敵をたたきつぶすことができる強力な軍をつくる」と述べました。
内政では、貧富の格差の解消を強調。雇用創出のための企業減税、一部富裕層への増税、医療制度改革、最低賃金の引き上げ、人種による格差の解消などを列挙しました。