日本共産党

2004年8月1日(日)「しんぶん赤旗」

国民8割「やり直しを」

改悪年金法廃止しかない

各紙の世論調査


 参院選で国民の厳しい審判が下った年金改悪法。自民党の議席減の原因は「年金改革への不満」が55%(「読売」十四日付)を占めています。国民世論から見ても、中身から見ても、改悪法は臨時国会で廃止し、やり直す以外にありません。


条文大量ミスの説明もなく

グラフ

 参院選後の世論調査はどれも、改悪法の撤回、やり直しを求める声が多数派です。

 「毎日」は、「法律をつくり直すべきだ」が78%、「朝日」は、「白紙に戻した方がよい」が79%を占めました。(グラフ参照)

 廃止、やり直しを自民、公明は「その必要はない」(小泉純一郎首相)、「まったく考えられない」(神崎武法公明党代表)と拒否していますが、国民からみればまったくの少数派です。

 国民の老後の暮らしを支え、保険料負担を求めるのですから、年金制度で何よりも大事なのは国民の信頼です。七割以上が廃止、やり直しを求めている法律の実施を強行すれば、年金への信頼を根底から破壊することになります。

試算の根拠崩れ

 年金改悪法の強行後には出生率など法律の前提となるデータの見込み違いや、四十カ所にも及ぶ条文ミスが発覚し、改悪法が法律としての体をなしていないことが明らかになりました。

 条文ミスは、放置すれば加給年金受給者四百三十二万人をはじめ、五百万人以上に影響が及んだ問題です。それを国民にはさっぱり理解できない条文の「正誤表」を官報(七月二十七日付)に載せるだけですませてしまいました。国民にきちんと説明するという政府としての最低限の義務さえ果たさず、改悪法を押しつけることは許されません。

国民をだます

 政府・与党は、法律を通すときもうその説明を繰り返して、世論の反対を切り抜けようとしました。

 改悪法は、保険料を毎年引き上げ、給付水準は毎年引き下げるというかつてない改悪を国民に押しつけます。「保険料は上限固定」「給付水準は現役世代の50%を確保」と国民に宣伝しましたが、日本共産党の追及で偽りだったことが明らかになりました。

 選挙できっぱり「改悪法ノー」の審判が下り、選挙後も国民多数の反対が変わらないのですから、国民だましの改悪法はいますぐ取り下げるべきです。

共産党提案の最低保障年金制度

 政府・与党の年金改悪法は、真の「年金改革」とはまったく異なるものです。

 日本共産党は、すべての人に月五万円を保障し、これに払った保険料分の給付を上乗せする最低保障年金制度を提案しています。無年金者をなくし、低額年金も底上げされ、給付が減らされる人は一人もいません。

 財源は、保険料引き上げや消費税増税など国民負担ではなく、無駄な公共事業の削減など歳出の見直し、大企業、大資産家に応能の負担を求める税制の見直しなどで確保します。




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