2004年8月1日(日)「しんぶん赤旗」
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日本共産党は三十一日、党本部で憲法改悪反対闘争の強化のための全国担当者会議を開き、日本の良心と知性を代表する九人による「九条の会」の呼びかけにこたえて、憲法改悪を許さない壮大な国民運動を展開することを確認しました。
会議では、憲法改悪反対闘争本部長の上田耕一郎副委員長が「憲法改悪をめぐる情勢について」、副本部長の荒堀広常任幹部会委員が憲法改悪反対のとりくみの現状ととりくむうえでの留意点などについて報告しました。
このなかで、上田氏は党創立記念講演会で不破哲三議長と志位和夫委員長が「九条の会」の意義を強調し、党として「この運動を大きくひろげることに力をいれる」としたことを紹介。「九条の会のよびかけにこたえ、党としてどういう全国的運動を組織していくかが会議の目的だ」と説明しました。
上田氏は、憲法改悪をめぐる情勢の特徴として「改憲勢力の攻撃が激しくテンポが早い」ことを指摘。これにたいして、国民のなかにある反戦と「九条守れ」のエネルギーにはずみをつける必要があると力説しました。
そのうえで、九条攻撃の本質が「日米同盟を血を流す米英同盟化することにある」とのべ、世界でもっともすすんだ憲法を後ろ向きへ大改悪しようという反動的な攻撃を阻止するたたかいの歴史的意義を強調。「二大政党」の流れと憲法改悪の動きについて整理して報告しました。
また、上田氏は、九条を生かした諸国民との平和・友好の日本外交の展望について、「九条の会」のアピールが東アジア共同体やEU(ヨーロッパ連合)なども視野にいれ、「平和を求める世界の市民と手をつなぐ」ことを呼びかけていることを強調。アジアの人々との平和的な同盟として九条をとらえることが重要だとのべました。
上田氏は、各政党の改憲問題についての態度をくわしく説明し、「憲法改悪反対闘争は日本の進路にかかわる闘争で、相手側も負けたらふたたび改憲を提起できないほどの大打撃をこうむることになる歴史的闘争だ」とのべ、このたたかいのなかで党建設をすすめる重要性も強調しました。
荒堀氏は、憲法改悪阻止の課題のもつ本質をしっかりみる必要があるとして、不破議長の『世界の流れのなかで憲法問題を考える』など党としての憲法論を学習することの重要性を強調しました。
また、「九条の会」のホームページに一日に三万人ものアクセスがあるなど、高い関心を呼んでいることを紹介。長野県などでは、すでに憲法を守れの署名を県民過半数集めようという運動が進んでいるなど、各地で創意あるとりくみが始まっていることもあげ、形にこだわらない自由闊達(かったつ)な運動が必要だと力説しました。
そのうえで、保守層を含めた幅広い賛同を広げることと、草の根からの運動の両面の重要性を指摘。学習を重視するなどのとりくみをすすめる留意点も明らかにしました。会議では、担当者から活発な質問が出され、今後、経験交流の会議をもつことなどが確認されました。