2004年8月1日(日)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イスラム教の集団礼拝となった三十日、イラクの宗教指導者は一斉にイスラム諸国のイラク派兵を拒否する声をあげました。イラク暫定政府のアラウィ首相が二十九日、訪問先のサウジアラビアでパウエル米国務長官との会談後に、派兵を要請する考えを明らかにしたことを受けたものです。これに先立ち二十八日、サウジアラビアのサウド外相がパウエル長官に同様の提案をしています。
スンニ派指導者のスマイダイ師はバグダッドのモスクで、「われわれはアラブやイスラムの軍隊が占領者を守るために派兵されることを望まない。イスラム教徒が殺害されるのを見ることを望んではいない」と強調しました。
イラク中部ファルージャのモスクではアルドゥーリ師が「あらゆるアラブとイスラム国の派兵に反対する」と強調し、「これらの軍隊は占領時以外なら役立ったかもしれないが、現在ではそれはありえない」と訴えました。
シーア派指導者のムクタダ・サドル師は中南部ナジャフ近郊のクーファで説教。「私はイラクを支援したいと欲するすべての国に、イラクに派兵しないよう忠告する。もし派兵すれば、占領の協力者とみなされるであろう」と明言しました。
同師はさらに、治安回復や生活基盤回復で成果を上げられない暫定政府も非難した上で、「われわれの指導者はいまだにあるものは収容されたままであり、あるものは命を脅かされている」「占領軍が正当な抵抗の活動家を解放しなければ、われわれは大衆的な抵抗に訴えることになるだろう」と警告しました。