2004年8月2日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の小池晃政策委員長は一日放送のNHK日曜討論で、消費税増税を強く批判するとともに、小泉内閣が計画している郵政事業「民営化」について、「国民サービスの低下は避けられない」と強調しました。
番組では、民主党の仙谷由人政調会長が、自民、公明、民主の「三党合意」にもとづく協議の条件として「年金目的消費税」の導入などを主張。与党側は「与野党の間で共通の理解ができ、国民の理解が得られれば、消費税を(小泉首相の任期中に)決めてはならないという必要はない」(公明・北側一雄政調会長)などとのべました。
小池氏は「いよいよ二〇〇七年に消費税増税という狙いがはっきりしてきた。消費税は社会保障の財源に一番ふさわしくない」と強調。消費税率が8%になると、平均月額四万六千円という国民年金受給者の消費税負担は年間約五万円で一カ月分の受給額に相当することを示し、「年金暮らしの方の生活を壊して、年金を支えるというのは本末転倒の議論だ」と批判。「消費税によらないで社会保障をどう立て直すのか、真剣に考えるべきだ」とのべました。
郵政「民営化」問題で民主党の仙谷氏は、郵貯、簡保を政府が保証していることで「資金循環上、雲の上でこりかたまって動かないのが問題だ」と主張。公明党の北側氏は、郵貯、簡保に「民間の市場原理を投入することによって、日本経済に有効に使える」とのべました。
小池氏は「全国どこでも手数料なしで引き出せるのが、郵便貯金のメリットだ」とのべ、郵貯、簡保の政府保証を「見えない国民負担」と攻撃しているのは銀行業界だと指摘。銀行は「(公的資金投入で)数十兆円もの目に余る国民負担を強いており、そんなことを言う資格はない」と批判しました。
小池氏は、政府自身が「民営化」の「意義」についていまだに国民に説明できずにいるとのべ、「肝心なのは資金の出口の問題であり、巨額のお金が大型開発や特殊法人に使われている構造には指一本触れない。まったく意味のない民営化だ」と指摘。全国一律の郵便サービスは大きな役割を果たしており、「民営化」すれば、リストラ、支店の閉鎖を進めている銀行の例からもサービス低下は避けられないとして、国営事業として維持すべきだとのべました。
郵便サービスについて、仙谷氏は「郵便の世界は外部からの参入をオープンにすることによって、競争のなかで自然に淘汰(とうた)されていく」とのべました。