2004年8月4日(水)「しんぶん赤旗」
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「憲法裁判所」に関する国際シンポジウムが三日東京で開かれ、その中で、「日本からみた憲法裁判所」と題するパネルディスカッションに日本共産党、自民党、民主党の代表が参加し、憲法学者、外国人ジャーナリストなどと討論しました。
自民党の保岡興治同党憲法調査会長と民主党の仙谷由人同党憲法調査会長は、「違憲審査制の機能不全が憲法への国民の不信を深めている」(仙谷氏)などとし、憲法を「改正」して憲法裁判所を設置する方向を強調しました。
日本共産党の山口富男衆院議員は、違憲審査制(八一条)は戦前の人権抑圧への反省に立つ重要な制度としたうえで、「違憲審査制が十分機能してこなかったのは、制度自体の問題ではなくその運用に一番の問題がある」と指摘。最高裁裁判官の内閣による「政治的任用」や、最高裁を頂点とする「司法官僚制」などで、憲法原理に忠実な、自由な裁判が保障されていないことこそ解決されるべきだとしました。
会場からも憲法裁判所導入論は、「国民を置き去りにした議論だ」と批判がだされ、山口氏は「国民の中には改憲を求める声は少ないのに、国会では改憲論が盛ん。この国民と国会の矛盾が国民置き去りの議論のおおもとにある」とのべました。