2004年8月4日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク多国籍軍を主導する米軍は二日、イスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師の自宅周辺で激しい軍事作戦を実行する一方、スンニ派有力組織「イスラム聖職者協会」幹部を拘束、占領の継続を非難する勢力への弾圧作戦を強めました。
現地からの報道によると、米海兵隊は二日夜、中南部のシーア派聖地ナジャフのサドル師の自宅がある地区に装甲車六両で侵攻し、同師宅を包囲。サドル師支持の民兵にたいし小火器やロケット弾などで激しい攻撃を加えました。これにたいし、民兵側も反撃しました。現地の病院関係者によると、この戦闘でイラク人女性一人が死亡、三人が負傷しました。サドル師報道官のスダニ師は、攻撃時にサドル師は不在だったものの、民兵六人が負傷したと発表しました。
ナジャフでは四月に米軍による激しいサドル師支持の民兵掃討作戦が断続的に行われ、民兵数百人が死亡していますが、五月の「停戦」以降は小康状態が続いていました。サドル師は六月末の「主権移譲」以後も繰り返し、占領軍にたいする抵抗を支持者に呼びかけています。一方、二日未明には、「イスラム聖職者協会」のムサンナ・ダーリ報道官が車に乗って帰宅中、米軍によって二人の警護員とともに拘束されました。