2004年8月5日(木)「しんぶん赤旗」
公明党の坂口力厚生労働相の親族が代表取締役を務める調剤薬局チェーン会社と関係企業から、同相の政党支部や後援会に二〇〇二年までの四年間で計二百五十二万九千円が献金されていたことがわかりました。厚生行政にかかわる企業から多額献金をうけていたわけで、厚労大臣在任中は関連業界政治団体から献金を受け取らないとした自身の国会答弁からみてもその姿勢が問われます。
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献金している企業は調剤薬局チェーン「メディカル一光」(津市)。坂口厚労相の異母弟の南野利久氏が代表取締役を務めています。
政治資金収支報告書によると、同社は坂口氏が代表の公明党衆議院比例区東海第二総支部と「坂口力後援会」に、四年間で計七十二万九千円を献金していました。同じく南野氏が代表だった株式会社「オリエンタルコーポレーション」(同)も二〇〇二年、百八十万円を献金しています。
また、医療法人「永仁会」からも坂口氏に四年間で四百八十八万円の献金がありました。永仁会は民間の信用調査によるとメディカル一光社との取引関係があり、同支部の政治資金収支報告書で、メディカル一光社、オリエンタル社と同一の所在地として記載されています(坂口事務所は「誤記載」と説明)。
坂口力後援会と東海第二総支部は、津市内のメディカル一光社所有ビルに置かれていました。同ビルの一階には永仁会も入居。入り口には永仁会や外国語学校などが看板を出しており、坂口事務所の看板もビルの側面にありました。
メディカル一光社の株主には後発医薬品メーカー大手の沢井製薬(大阪市)の名前も。
坂口厚労相はかつて二〇〇一年十一月の衆院厚生労働委員会で、医師会、医師連盟からの献金受け取りを自粛すべきではないかと問われ、「その通りだと思う」「政治連盟からの献金は、この大臣に就任中はどんな形であれ受けない」と表明しました。この答弁の趣旨からいえば、関連企業献金も自粛するはずですが、同議員事務所は本紙に「業界団体(からの献金)ではなく、昔からのつきあい。不適切とは思っていない。メディカル一光のビルには賃貸契約を結んで入っている」と答えました。
また、同相は、日本歯科医師連盟、三重県歯科医師連盟から、二〇〇二年に百三十万円(六十万円を返還と表明)のパーティー券代を受け取っています。坂口事務所は「パーティー券で、献金にあたらず、答弁と矛盾しない」としています。
医療法人や調剤薬局などの医薬業界の収入はおもに、税金と健康保険料を原資とする医療保険財政でまかなわれています。