日本共産党

2004年8月6日(金)「しんぶん赤旗」

米ハリバートン社 チェイニー副大統領が元経営トップ

イラク戦争で事業拡大

国との契約高6倍

ブッシュ氏再選へ戦費還流


 【ワシントン=浜谷浩司】チェイニー米副大統領がトップを務めた米企業ハリバートン社が、イラクでの米軍支援事業などの契約を大幅に伸ばし、事業を拡大していることが三日、確認されました。

 連邦政府の契約企業トップ二百社について『ガバメント・エグゼクティブ』誌がまとめたところによると、同社の国防総省との契約高は二〇〇三年に三十一億ドル(約三千四百億円)と、前年の四億九千百万ドルの約六倍に跳ね上がりました。

 契約の大部分は、兵士への給食をはじめクリーニング、住宅など陸軍への兵たん支援事業と、米軍がイラク侵攻に先立って想定した油田の消火活動や石油採掘関係の事業です。

 兵たん支援事業は、一九九二年に当時国防長官だったチェイニー氏が着手。同氏はその後、同社の最高経営責任者を務めました。チェイニー副大統領はブッシュ政権の軍事政策に強い影響力を持つことから、同社との深いつながりがたびたび問題となっています。

 同社はまた、軍へのガソリン供給や給食などの兵たん支援事業で、過大請求を行うなどの不正が指摘され、「批判を受けるのは悪いことではない」と居直るテレビCMを流したほどです。

 一方、同社の活動を監視している民間団体「ハリバートン・ウオッチ」は三日、同社役員が共和党に多額の献金を行っていることを明らかにしました。イラク戦争の戦費の一部が、ブッシュ大統領の再選支援に還流している形です。

 それによると、同社役員による六月末までの献金額は全体で約三十万ドルにのぼり、その99%が共和党の候補者などに対するものでした。これとは別に同社の政治資金団体も十三万三千五百ドルを献金し、その90%が共和党向けでした。



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