2004年8月8日(日)「しんぶん赤旗」
「共生のアジアを! フェスタ8・7」が七日、明治学院大学で開かれ、戦後補償問題の企画展などが催されました。討論会「日中韓若者は語る―異なる過去・共通の未来」に、日本の大学生や中国、韓国の留学生を中心に約九十人が参加。高橋哲哉東京大学教授、趙寛子中部大学講師を助言者に意見交流しました。
中国人の留学生は、侵略戦争推進の精神的支柱となった靖国神社を小泉首相が参拝したことについて「アジアの人々の気持ちをまったく考えてない」と指摘。これに対して日本の学生は「首相個人の思想を尊重すべきだ」といいました。高橋教授は「首相は私的参拝というが、一方で『首相である限り続ける』といっていることを考えれば、公的参拝は否定できない」とのべました。
討論では、「歴史は過去の話ではない。歴史なしでは未来は考えられない」など中国と韓国の学生から発言がありました。日本の侵略戦争を美化する歴史教科書問題を挙げ「認識が違うと本当に感じる」という感想も出ました。
高橋教授は「アジアの中で生きていくには歴史を自分で学び、知ること。実態を知れば、おのずと答えは出てくる」とのべ、趙講師は「弱い人に目を向ける倫理を持って生活を送る必要がある」とのべました。