日本共産党

2004年8月11日(水)「しんぶん赤旗」

BSE感染牛を防ぐには?


 〈問い〉 BSE検査から若い牛を除くなどの方向がだされていると知り、不安です。安全対策を日本共産党はどう考えますか?(神奈川・一読者)

 〈答え〉 今、日本が行っているBSE対策の中心は、と畜場における全頭検査、すべての牛の危険部位の除去と焼却処分、24カ月齢以上の死亡牛の検査、肉骨粉の飼料利用の全面的禁止と反すう動物由来の肉骨粉の焼却処分です。

 その中でも、全頭検査体制は、すべての牛を検査しているという安心感を消費者に与えるだけでなく、この全頭検査によって、世界的にも初めて21カ月齢や23カ月齢の若年齢牛からBSE感染牛が発見されるなど世界的な成果を上げてきています。このことは、食品安全委員会プリオン専門調査会の委員からも高く評価されています。

 全頭検査は、FAO(国連食糧農業機関)も支持しているだけでなく、世界的なプリオン研究者でノーベル賞受賞者のスタンリー・プルシナー米カリフォルニア大学教授も米国での導入の必要性を主張しています。BSEが科学的に未解明な部分がある以上、予防原則の立場からも全頭検査こそが最も安全性を確保しうるからです。

 米国政府は、若年齢牛からのBSE検出の困難性を理由に日本の全頭検査を中止させようとしています。もちろん、どのような検査にも検出限界値というものがあります。それはBSE検査にも当てはまります。しかし、検出限界値は、検査技術の進歩により、どんどん小さくなるもので、例えば、化学物質検査でも以前のppm(100万分の1)レベルから現在ではppt(1兆分の1)レベルまで検査精度が上がっています。BSE検査についても検査感度がさらに上がれば、今後、21カ月齢よりさらに若年齢の牛からBSEが検出される可能性も否定できません。全頭検査を中止して、一定年齢牛以上のBSE検査にするならば、若年齢牛からのBSE検出の可能性を奪い、ひいては、人の食物連鎖に異常プリオンの侵入を許すことになりかねません。  (倉)

 〔2004・8・11(水)〕



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