2004年8月11日(水)「しんぶん赤旗」
自衛隊のイラク派兵差し止め訴訟を提起している全国六地域の弁護団は十日、札幌市で第一回全国連絡会議を開き、裁判勝利を目指して意見交換を行いました。
最初に、「ピースナウ市民平和訴訟・東京」の澤藤統一郎弁護士が基調報告し、一九九一年の湾岸戦争時に起こした戦費支出・掃海艇派遣・自衛隊機派遣の差し止め、違憲・違法確認、国家賠償請求訴訟(敗訴)の経験と到達点を語りました。
澤藤氏は、裁判所に憲法判断をさせる枠組み・土俵をどうつくるかが重要だと強調し、いくつかの角度から問題提起しました。
続いて、訴訟を起こしている名古屋、大阪、東京、北海道、静岡、山梨の各弁護団が、それぞれの訴訟の経過と課題について報告しました。
討議では、裁判をたたかう上で、「平和的生存権」「訴訟の利益」をどうとらえ、どう基礎づけるかについて活発な討議が行われました。
最後に、今後「全国連絡会議」を正式発足させ、それぞれの裁判勝利のために、各弁護団が今後も連携をとり、協力し合うことなどを確認しました。
会議終了後、全国で初めて札幌地裁でイラク派兵差し止め訴訟を起こした箕輪登元郵政相も交えて記者会見を開き、箕輪氏ら各地の原告が訴訟を起こした思いを切々と語りました。