2004年8月11日(水)「しんぶん赤旗」
「イラクの本当の再建を手伝いたい」―。十日、東京・中野区で「元米兵が語るイラク戦争」集会が開かれ、アメリカから来日した元米兵のイヴァン・メディナさん(23)が、イラクに派遣された体験を語りました。
集会は元米兵イヴァン・メディナさんのお話を聞く会が主催したもので、約五十人が参加しました。
メディナさんは、イラク戦争が始まった二〇〇三年三月、任務に就いていたクウェートからイラク・ナジャフに派遣されました。「初めて見たのは子どもの死傷者。真っ黒こげの死体以外なかった」と話します。その後、カルバラとファルージャに配属されました。「生きて帰れるか不安だった」といいます。
八月に帰国した三カ月後、最悪の事態が起きました。共に派兵された双子のアーヴィングさんがバグダッドを移動中、仕掛けられた爆弾によって亡くなりました。メディナさんは「初めて父の泣く姿を見た。僕も兄を助けることができずに泣いた」と声を詰まらせました。「兄は『この戦争は不正義だ』といっていた」と続け、こぼれる涙をこらえました。
「毎日、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に襲われている」と話すメディナさん。いまは「声を上げる軍人家族の会」で活動しています。
メディナさんはブッシュ政権を批判し、訴えました。「僕はこれ以上、人を殺したくない。占領軍がいる限り、毎日毎日、米兵もイラク人も死に続ける。殺された犠牲者を忘れずに各国リーダーが間違ったことをしないよう一緒に頑張りましょう」