2004年8月12日(木)「しんぶん赤旗」
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生活保護制度の母子加算廃止、国庫負担率引き下げを政府が検討していることに対し、日本共産党の小池晃参院議員と山口富男衆院議員は十一日、社会保障の最後のよりどころである生活保護の削減は許されないと、坂口力厚生労働相に申し入れました。
申し入れで小池氏は、生活保護は国が責任をもつべきナショナルミニマム(全国共通の最低基準)として確立してきたもので、引き下げは「憲法に照らしても容認しがたい」と述べました。また、一般母子世帯との“公平性”を母子加算廃止の理由としていることにたいし、低い方に合わせるやり方を批判。多くの母子世帯が生活保護を下回る生活水準となっている状況を解決することこそ厚生行政の仕事だと指摘しました。
その上で、母子加算の廃止と国庫負担率の引き下げはしないこと、今年度から実施されている老齢加算の段階的廃止を中止し、生活保護制度の改善・充実を図ることを求めました。
山口氏は、国庫負担率の引き下げに対し地方自治体が強く反発していることを指摘。母子家庭はこの間、児童扶養手当も改悪され、両方から足を引っ張られる状況となっていることをよく考えるべきだと発言しました。
応対した社会援護局の岡田太造保護課長は、国庫負担率の引き下げ(現行四分の三から三分の二へ)で削減される国庫負担額は約千七百億円、母子加算廃止は約百億円という見込みを明らかにしました。同時に、「地方自治体が反対していることは承知している。母子世帯が全体に厳しい状況であることも考えなければならない。年末に向け、よく検討していきたい」と述べました。