2004年8月12日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 アテネ五輪が直前ですが、オリンピックは政治にほんろうされ、平和の問題が問われてきました。日本共産党はオリンピックのあり方をどう考えていますか?(東京・男性)
〈答え〉 オリンピックは、第一次、第二次世界大戦で中止、東西軍事ブロックによるボイコット合戦など、戦争や政治の介入によってさまざまな困難に直面してきました。しかし、その都度、平和な願いを世界の世論によってオリンピックは支持され、困難を打開してきました。
今回のアテネ五輪では、イラク戦争の脅威とテロの危険が最大の問題になっています。
アテネ五輪の警備費は、シドニーの4倍の1300億円以上ともいわれています。7万人の兵士と潜水艦、迎撃ミサイルまで配備され、ギリシャ軍幹部は「第二次大戦以来の最大規模の作戦だ」とコメントしています。
バコヤンニ・アテネ市長は「さあ、もう武器をおろそう」との歌を発表し「五輪休戦」を呼びかけました。六月、日本でも「オリンピック休戦のよびかけを日本から」と、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長らが名を連ねました。
国連では一九九三年に初めて「五輪休戦」が決議され、長野五輪以降は今回のアテネも含め、毎回「休戦」が決議されています。オリンピックはスポーツ交流を通じて「平和で、よりよい世界をつくることに貢献する」ことを目的に掲げています。
それだけに、平和を願う世界の人々に支えられてオリンピックが本来の目的を実現していくことが大切になっています。
オリンピックの平和の精神からも国際オリンピック委員会をはじめ、「紛争なくせ」の声を打ち出すことが望まれており、日本共産党は「平和の祭典」にむけた世論に沿った努力に共同するとともに、イラクからの米軍・自衛隊の撤兵を強く主張しています。(鳥)
〔2004・8・12(木)〕