2004年8月14日(土)「しんぶん赤旗」
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十三日午後二時十五分ごろ、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学構内に、米海兵隊普天間基地所属のCH53D型大型輸送ヘリが墜落しました。目撃者によると、ヘリは空中で尾翼が根元から折れて制御不能になり、きりもみ状態で校舎の一号館に接触、数回の爆発をともないながら激しく炎上しました。
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火災は市消防が消し止め、負傷した米兵三人を北谷(ちゃたん)町の米海軍病院に搬送しました。地上の学生などにけが人はいないもようです。ヘリの乗務員三人のうち一人が重傷、二人が軽傷を負いました。
付近は住宅や保育所が密集し、夏休みで外で遊ぶ子どもたちも墜落の瞬間を目撃するなど、一歩間違えれば大惨事になる危機一髪の状況でした。現場には爆発音や振動に驚いた住民多数が自宅を飛び出し、周辺には黒煙が立ち込め、ゴムが燃えたような悪臭が充満していました。
近くの民家は爆風で窓ガラスが割れ、ローター(回転翼)の破片とみられる長さ約十メートルの金属がバイクをなぎ倒して転がるなど、ヘリの残骸(がい)が広範囲にわたって散乱しています。
大学と道路を隔てた市立宜野湾保育所では、零歳から五歳まで約百二十人の子どもが昼寝中でした。目を覚ました子どもはいませんでしたが、職員が起こし、急いで大学から離れた部屋に移しました。心配した保護者から安否を問う電話が次々にかかってきたといいます。
午後三時十分に現場に駆けつけた伊波洋一宜野湾市長は「市としては事故が起こらないうちに住宅密集地の中心にある普天間基地の返還を求めてきたところであり大変遺憾だ。直ちに普天間のヘリ基地としての運用は中止すべきだ」と怒りを込めて話しました。