2004年8月15日(日)「しんぶん赤旗」
五十九周年を迎えた十五日の終戦記念日にあたって、日本共産党の市田忠義書記局長は次の談話を発表しました。
一、終戦五十九周年の記念日にあたり、日本共産党は、侵略戦争の犠牲となった内外の人びとにたいし、心から哀悼の意を表明します。また、歴史の教訓を踏まえ、ふたたび戦争犠牲者を生むことのないよう、アジアでも世界でも平和のルールを確立するために全力をあげる決意です。
一、今年の終戦記念日は、自衛隊がはじめて、武力を行使する多国籍軍に参加するなかでむかえました。しかもいま重大なことは、戦争の犠牲のうえにつくられ、平和への決意をきざんだ日本国憲法第九条が、かつてない危機にさらされていることです。自民党も民主党も、九条を含む改憲案をこの一、二年中にはまとめることを、すでにおおやけにしています。公明党も、この動きにあわせ、改憲案をつくる予定です。
九条改憲の焦点となっている「集団的自衛権」とは、日本を“自衛”することとはまったく無縁であり、小泉首相自身が明言しているように、海外で戦争する米軍と共同での武力行使にのりだすというものです。そのアメリカの戦争は、イラク戦争でも明白なように、国連の平和のルールをふみにじり、自分たちの気に入らない政権を先制攻撃で打倒する侵略戦争です。憲法九条を変えることは、日本がふたたび侵略に加担する道を選択することであり、絶対に許すことはできません。
一、憲法改悪は、国民過半数の賛成がなければ実現しないものですが、多数の国民は「九条改憲」に反対しています。だからこそ、改憲派は、「九条改憲」の真のねらいである「アメリカの戦争に参加する」ことを正面から言えずに、あれこれの言い訳をせざるを得ません。
憲法改悪をめぐるこのような状況をリアルにみれば、九条改憲を許さないという国民の世論と運動をひろげることこそ、このたたかいで勝利をおさめる確かな道となります。日本共産党は、このような展望をもって、国民とともに全力をあげる決意です。