日本共産党

2004年8月15日(日)「しんぶん赤旗」

米軍、各地を空爆、市民犠牲

各都市で抗議デモ

イラク


 【カイロ=小泉大介】イラク占領米軍は十三日から十四日にかけてイラク全土で米軍に抵抗する勢力に対し、全面攻撃をつづけています。米軍はナジャフでサドル派民兵への攻撃をつづける一方で、スンニ派住民が多数を占めるバグダッド北方のサマラを空爆。五百ポンド(約二百五十キロ)爆弾数発を投下し、武装勢力約五十人を殺害したと発表しました。現地の病院関係者は、この戦闘で女性や子どもを含む十三人が死亡、八十四人が負傷したとしています。

 南部のクートでは十三日、米軍の空爆で女性を含む七人が死亡し、三十四人が負傷。バグダッド南方のヒッラでは同日夜から十四日朝にかけて、シーア派民兵と米軍の戦闘で四十三人が死亡しました。

 イスラム教シーア派聖地ナジャフにたてこもる指導者ムクタダ・サドル師は十三日夜、右腕に包帯を巻いた姿で、米軍包囲下のナジャフ中心部のアリ廟(びょう)に現れ、支持者を前に「われわれは勝利するか殉教者となるまでとどまり、聖地を守る」と演説。暫定政府の撤退要求を拒否し、「(米国の)独裁的な手先の政府の総辞職を求める」と語りました。これを受ける形で、十四日午前には、サドル師支持者数千人が、周辺都市からナジャフに続々と集結。首都バグダッドや中部のファルージャ、南部のサマワ、ナシリヤなど全土で米軍に対する抗議デモが繰り広げられました。

 西部アンバル州では米海兵隊員一人が戦闘で死亡、別の作戦でも一人が死亡しました。

 イラク南部の主要原油パイプラインは十四日、武装勢力の攻撃があるとの情報を受け、送油が再び停止されました。

 暫定政府当局者は十四日、ナジャフでおこなわれていたシーア派民兵組織との停戦交渉が決裂したと言明。戦闘の激化が懸念されます。



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