2004年8月17日(火)「しんぶん赤旗」
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米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に隣接する、住宅密集地の沖縄国際大学に米軍大型輸送ヘリが墜落・炎上した事故で、米軍は十六日午前、県警や市消防による現場検証を実施させないまま、事故機の回収・撤去作業を強行しました。さらに同日午前十一時から事故機種以外での訓練を再開すると表明。反省の態度をひとかけらも示さない米軍の横暴な姿勢に、同市をはじめ、県民の反発の声がますます強まっています。
宜野湾市の伊波洋一市長はこの日午前、市役所を訪問した在日米海兵隊副司令官のジェームズ・フロック准将に抗議書を手渡し、普天間基地の全面返還と同基地のヘリ基地としての運用の即時中止などを求めました。
午前九時前に現場を訪れた同市長は、「米軍が一方的に検証し、回収作業を進めるのはおかしい。日米双方で調査にあたるべきだ」と強調。午後には、米軍や政府などの関係機関に対し、普天間基地の全面返還実現や、米軍ヘリの即時運用中止を求めて要請行動を行いました。
大学構内での機体回収作業は、早朝から、日本共産党の知念吉男市議や地域住民らが監視するなかで始まり、米軍は機体周辺の木々を伐採し、散乱する機体の一部を回収しました。
中央でバッサリと割れた事故機はコックピット付近を除き、数台の大型トラックに載せて運び出されました。作業は夕方までにはほとんど終了しました。
普天間基地では、午前十一時二十分ごろKC130輸送機が離陸するなど、訓練再開に向けた動きもみられます。
一方、事故現場となった沖縄国際大学や周辺地域は事故発生から四日目で、ようやく機能回復の兆しが見え始めました。
事故発生直後から通行止めになっていた大学前の県道は、歩道の片側を除いて十六日昼すぎに規制が解除されました。同大学でも、封鎖されていた一号館(本館)の出入りが可能となり、回線が切断されていた大学内のインターネットも、朝から利用ができるようになりました。