2004年8月17日(火)「しんぶん赤旗」
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米海兵隊普天間基地(沖縄宜野湾市)に隣接する沖縄国際大への米軍大型輸送ヘリ墜落事故で、同市の伊波洋一市長は十六日、市役所に謝罪に訪れた在日米海兵隊副司令官のジェームズ・フロック准将に抗議書を手渡し、「学生や市民に犠牲が出なかったのは奇跡的だったが、最悪の事故だ」とのべました。
フロック副司令官は、「住民や学生、教員に深くおわびしたい」とのべましたが、「徹底した安全調査を行ったので、(事故を起こした)CH53D型ヘリ以外の軍用機は、今日の午前十一時をもって飛行を再開したい」と通告。これに対し伊波市長は「全く許されない。市民、県民のものすごい反発を受けるだろう」と語気を強めました。
その上で伊波市長は、普天間はいったん事故があれば甚大な被害が起こる「欠陥基地」だと指摘し、(1)普天間基地の全面返還実現(2)ヘリ基地としての運用の即時中止(3)被害者全員への謝罪と補償―などを求めました。
フロック副司令官は、普天間基地の全面返還については、辺野古沖への移設を進める考えを示し、その他は「持ち帰って検討したい」とのべるにとどまりました。
伊波市長は同日午後、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、在沖縄米国総領事館などにも、同様の申し入れを行いました。