2004年8月20日(金)「しんぶん赤旗」
沖縄県宜野湾市にある沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落し、住民を恐怖に陥れた事故から、二十日で一週間です。大惨事につながりかねない住宅密集地での事故への抗議とともに、同市の中心に居座る米海兵隊・普天間基地の即時撤去を求める怒りの声が強まっています。
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墜落現場となった沖縄国際大学一号館付近では、十九日もなお油のにおいが漂っていました。
一号館の壁面には、炎上の際についた黒焦げが痛々しく残っています。三階建ての屋根は、激突した衝撃で一部が欠け、無残にも鉄筋がむき出しになっていました。
米軍は、沖縄県警の現場検証を拒否したまま十九日、機体の回収を終了。午後二時まで、残った機体の小さな部品を拾う作業をおこないました。
沖縄県警による現場検証が始まったのは、午後二時半ごろ。最重要の物証である墜落機体のない現場検証となりました。
墜落現場は、住宅密集地です。現場前をはしる県道を越えると、七階建てのマンションや一戸建て住宅、保育所、中古車店などが並んでいます。付近の住民は、一週間たった今も事故への恐怖が消え去っていません。
事故直後に保育所の前に飛び出し、炎と黒煙のあがる墜落現場を目撃した市立宜野湾保育所の松本美恵子所長(56)。墜落の日、保育所には、百人以上の子どもたちがいました。五歳児の一人は、事故の恐怖で体の震えが止まらなかったといいます。「これまで米軍機の騒音には慣れてしまっていました。基地は、名護へいっても、どこへいっても同じ。撤去してほしい」
記事 田中 一郎記者
写真 野間あきら記者