2004年8月21日(土)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ハンガリーのメッジェシ首相(社会党)は十九日、辞任を発表しました。イラク派兵国での首相の辞任はポーランド、チェコに続くもの。いずれの国でも国民レベルではイラク派兵反対が多数を占め、六月の欧州議会選挙で派兵を推進した与党が敗北したことが影響しています。
同首相辞任の直接の理由は内閣改造で連立与党の自由民主同盟と対立したこと。財政問題をめぐる対立があるといわれますが、イラク派兵問題が響いた欧州議会選挙での敗北が大きな要因です。
社会党と自由民主同盟は欧州議会選挙で過半数を大幅に下回る得票で敗北。その後も世論調査で野党の青年民主連盟(フィデス)が37%の支持だったのに対し、社会党は20%とさらに国民の支持を失っています。欧州議会選挙での敗北とさらなる支持低下で与党内の不満が噴出したことが辞任につながりました。連立は維持することにしており、次期首相にはキッシュ元労働相が候補にあがっています。
東欧では六月にも欧州議会選挙での与党・社会民主党の大敗北を受け、チェコでシュピドラ首相が辞任し、グロス氏が新首相になったばかり。ポーランドでは欧州連合(EU)加盟直後にミレル首相が辞任し、公認のベルカ首相はいったん議会で不信任された後、六月の信任投票でかろうじて信任されました。ベルカ首相は世論を受け、訪米時にはイラク派遣ポーランド部隊を来年一月に大幅撤退させたいと要請しました。