日本共産党

2004年8月22日(日)「しんぶん赤旗」

普天間移設ノー 座込み4カ月

戦場の島にさせない

辺野古 米軍ヘリ墜落で思い新た


 沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学構内に米軍ヘリが墜落し、基地撤去の県民感情が広がっています。そんな中、政府が普天間基地の移設場所としている名護市辺野古では、住民がそれぞれの思いを胸にたたかっています。四月から黙々と座り込みを続けて四カ月がたちました。

 本吉真希記者


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辺野古沖での米軍演習を双眼鏡でのぞき、写真に収める平良夏芽さん=20日、沖縄・名護市

 辺野古沖への新基地建設反対の一点で様々な団体・個人が集まったヘリ基地建設反対協議会。墜落事故の抗議声明で「普天間基地の即時閉鎖と無条件全面返還」を求めました。新基地も普天間基地もいらない――という表明です。「辺野古沖のボーリング調査の白紙撤回と新基地建設を断念させるまで座り込みを続ける」と宣言します。

怒りの持続がカギ

 「沖縄の怒りをどこまで持続できるか。それが新基地建設を許さないカギになる。沖縄の重大事件をやまと(本土)でどれだけ意識し続けられるかも重要なカギ」。そう話すのは県南部の大里村に住む沖縄平和市民連絡会共同代表の平良夏芽(なつめ)さん(42)。真っ黒に日焼けしています。反対協議会の事務局を務めています。

 座り込みを続ける一人、平良悦美さん(70)=沖縄市=は、夏芽さんの母親です。沖縄に四十五年暮らしています。ベトナム戦争時、五人の子どもを育ててきました。

 「ベトナム戦争では毎日、沖縄から爆撃機が飛んで人を殺しに行った。すべてが生々しくて悲しかった」と話します。当時、ベニヤ板を挟んだ隣の部屋に米兵が住んでいました。その米兵たちもベトナムに行きました。「『あの飛行機は子どもを殺しに行くの?』って爆撃機を指さしながらあの子(夏芽さん)は泣いた」と悦美さん。夏芽さんは「一緒に遊んでいたお兄ちゃんたちが子どもを殺したのかと思ったら涙が出てきた」といいます。

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初めて座り込みに参加する人たちに新基地建設反対の説明をする平良夏芽さん=20日、沖縄・名護市

海を“守りたい”

 八月に初めて座り込みをした名護市の宮城妃沙乃(ひさの)さん(17)は、「孫たちのために、いま自分たちは恵みの海をあずかっている」というおばあの言葉を聞いてうれしくなりました。「沖に基地ができたら海が汚される。私が親になって子どもをもったとき、きれいな海を残せなくなってしまう。海の自然とジュゴンを基地建設から守りたい」

 辺野古の海岸には、黒くて小指の先ほどの大きさの天然記念物、ミナミコメツキガニがすんでいます。潮が引くと砂の中から現れプランクトンを食べます。豊かな海は生きています。

 夏芽さんはいいます。「親しい人が戦場に行って人殺しになるのも、その友人が殺したかもしれない人の写真を見るのも、息が苦しくなるくらいつらい。これ以上、人殺しをする島にはしたくない」



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