2004年8月23日(月)「しんぶん赤旗」
在沖縄米海兵隊は二十二日、沖縄国際大学構内に墜落した事故機と同型機であるCH53D大型輸送ヘリの飛行再開を強行しました。事故原因のまともな究明もないままの飛行再開に対し、「沖縄を軍政下にあるかのように扱い、日本の主権を無視するもの」(伊波洋一・宜野湾市長)と怒りの声が広がっています。
在沖縄米総領事館は二十二日午後零時二十分、県に対し電話で「CH53Dをイラクに派遣するため(米軍基地の)ホワイトビーチに飛行させる」と通知。宜野湾市は、午後零時三十四分から、CH53Dが六機、同基地から離陸したことを確認しました。
これを受け、伊波洋一宜野湾市長は、抗議声明を発表。会見で「県民より軍令を優先するものだ」と批判し、(1)同基地での飛行の全面停止(2)飛び立ったヘリを沖縄から撤退させること(3)同基地のヘリ基地としての運用停止(4)同基地の全面返還―を要求しました。
沖縄県は、府本禮司知事公室長が、在沖縄米総領事館に「県は全機種の飛行停止を求めている。県民感情を逆なでするものだ」と抗議しました。
米海兵隊は、ヘリの飛行を二十日に再開。今回の同型機の再開にあたって、事故原因について「尾翼ローターの小さな部品の一部がなくなっており、これがコントロール喪失につながった」などと一方的に判断。「事故機特有のもの」として飛行再開を合理化しています。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員(沖縄県委員長)は、米海兵隊によるヘリ墜落事故と同型機の飛行再開について、つぎのように批判しました。
人命軽視・軍事優先の米軍の暴挙に抗議する。事故機だけは飛行しないという米軍自らの約束を踏みにじるもので言語道断だ。日本政府は「運用は最小限」に「安全は最大限」としか米軍に要求してこなかったが、この日本政府の立場は結局、イラク戦争の必要上、基地使用を認めることになる。市民の安全とは両立できない。弱腰の対米追随の日本外交を根本的に改めるべきだ。閉鎖を求める声はますます強くなる。日本共産党としても、米海兵隊・普天間基地の閉鎖と完全撤去を求めていきたい。