2004年8月24日(火)「しんぶん赤旗」
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介護保険料(六十五歳以上)については、いまの五段階に区分された定額保険料は所得の低い人に重くなる逆進的な制度になっており、この問題の是正が必要です。
医療の国民健康保険(自営業者などが加入)の保険料ですと、最高と最低の間に数十倍もの開きがあります。介護保険料は三倍しか違いません。国保料の高さも問題になっていますが、その国保料と比較しても、いまの五段階の保険料徴収のしかたというのは低所得者に非常に重い。こういう不公平をたださなければなりません。
利用料(自己負担)については低所得者への減免制度を国の制度として、それも経過措置ではなく恒久的な制度として実施すべきです。日本共産党は、当面の低所得者対策として、すべての在宅サービスの利用料を3%(現行は基本的に10%負担)にするよう求めています。
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基盤整備も重要です。特別養護老人ホームとともに施設の問題でいいますと、痴呆(ちほう)の問題をかかえる高齢者の受け入れ施設となっているグループホームの整備・充実が必要です。こうした施設が地域に増えると、保険料にはねかえることから建設をひかえる自治体も増えています。必要なサービスを提供すると保険料が上がってしまうという問題を解決するためには、国庫負担の引き上げがどうしても必要です。
いま介護費用の25%が国庫負担ですが、そのうち5%は「調整交付金」といって保険料格差の是正に使われ、都市部を中心に実際の国庫負担割合は25%より低くされ、その分保険料にはねかえっている問題もあります。当面、この調整のための5%を枠外にして別途確保し、25%の国庫負担をきちっと市町村に保障することが自治体の切実な要求になっています。国庫負担を二千七百億円増やせばこれが可能です。
さらに、国庫負担を介護保険開始前の水準である二分の一(50%)まで戻し、抜本的な保険料軽減、利用料軽減による低所得者対策の拡充にすすむべきです。
小泉内閣は「社会保障の在り方に関する懇談会」を発足させ、年金、介護、医療を一体としてとりあげ、「持続可能な制度」をめざすといっていますが、最大のねらいは消費税増税に持ちこむことです。
国民の介護に対する要求は介護保険スタートから五年目になっても切実で、これにこたえるのは政治の重要なテーマです。親の介護のために仕事を途中でやめなければならないという現実も依然として解消されていません。
日本共産党は、介護現場の意見もよく聞いて、問題がすこしでも是正され、社会保障にふさわしい介護が実現できる本当の改革が実るよう力を入れたいと思います。
(おわり)