2004年8月25日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党の第23回党大会決議に、子どもの「自己肯定感情」という言葉がありました。どんな意味ですか?(北海道 一読者)
〈答え〉 日本共産党は今年1月に開いた党大会で、心配されている、子どもの問題について、「その背景の一つに、子どもの自己肯定感情(自分を大切な存在と思う感情)が深く傷つけられているという問題がある…。自己肯定感情が乏しければ、他人を人間として大切にする感情も乏しいものとならざるをえない」として、「子どもたちが、自分が人間として大切にされていると実感でき、みずからの存在を肯定的なものと安心して受け止められるような条件を、家庭でも、地域でも、学校でも、つくること」をよびかけました。
「子どもの自己肯定感情」とは、「うぬぼれ」などを意味するものではなく、自分が生きていること自体にかけがえのない価値がある、「自分が自分であって大丈夫」と思う心です。
これらは、なにかができるなどの能力や特性の値打ちについての評価によって生まれる感情のことではありません。自分の気持ちや感情をそのままに受けいれ、許すことのできる感情のことです。
人は、人に気持ちや感情をしっかりと受けとめてもらい、共感されることで、「自分は愛されている」という安心感をもち、否定的な感情を解消することができます。このようななかで、感情体験は確かなものとなり、感情は現実味をおび、自分を生き生きと感じるようになります。こうして、人は自己肯定感情をもつことができるのです。
このため、大会決議では、大人が「子どもの声に真剣に耳をかたむけ、子どもの思いや意見を尊重し、子どもを一人の人間として大切にする人間関係を、社会の各分野でつくること」を位置づけました。意見表明や社会参加の権利については、「子どもの権利条約」でも定められています。これらを保障する、わたしたち大人のとりくみがもとめられます。(京)
〔2004・8・25(水)〕