2004年8月27日(金)「しんぶん赤旗」
【北京=菊池敏也】中国外務省の孔泉報道官は二十六日、東京都教育委員会が「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史教科書を来年開校の中高一貫校で採択することを決めたことについて、「日本側は正しい歴史観で日本の若い世代を教育すべきだ」と述べ、同教科書の採択に強い不満を示しました。
また、中国の国営新華社通信は同日、「侵略戦争美化の歴史教科書の採択を決定した」と報じるとともに、「今回の採択を突破口に、都内のすべての学校で採択しようとしている」と指摘しました。
同通信は、日本の二十余りの市民団体が都教委の決定に対して強く抗議し、決定を取り消すよう要求したことを伝えました。市民団体が「つくる会」の教科書の採択に反対する約二万九千人の署名を都教委に提出したほか、白鴎高校卒業生も母校で同教科書を用いないよう強く要求したことも報じました。