2004年8月27日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=遠藤誠二】米陸軍は二十五日、イラクのアブグレイブ収容所で起きた米兵によるイラク人収容者虐待に関する調査報告書を発表。既に訴追された憲兵七人とは別に、軍情報部員ら二十七人が虐待に直接関与するなど計四十一人が虐待にかかわり、犯罪捜査の対象になるとの見解を示しました。
この報告書は、二十四日に最終報告を発表したラムズフェルド国防長官指名の独立調査委員会とは別に、陸軍が調査に当たっていたものです。軍情報部員二十三人と民間契約者四人が、四十四の事例に直接かかわるか現場の憲兵に虐待の指示を与えていた、と指摘。現場で指揮に当たっていた第二〇五情報旅団のパパス大佐も含まれます。
これに加え、軍情報部員六人、民間契約者二人が虐待を目撃しながら報告しなかったほか、憲兵ら六人の関与も明らかになりました。
また、少なくとも八人の収容者について、赤十字国際委員会に拘束を報告していなかったとして、収容者隠しがあった事実を認めました。
報告書は当時のサンチェス・イラク駐留米軍司令官について、「指導力が欠如していた」と批判。ラムズフェルド国防長官やマイヤーズ統合参謀本部議長など米軍の最高指導部については関与を否定していますが、「監視を怠った」として責任は免れないことも主張しています。