2004年8月28日(土)「しんぶん赤旗」
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イラク駐留米軍に抵抗して中部ナジャフのイスラム教シーア派聖地アリ廟(びょう)に立てこもっていたシーア派指導者サドル師の民兵マハディ軍約六百人は二十六日夜、シーア派最高権威シスタニ師の調停案を受け入れ、聖地からの退去に合意。二十七日、民兵は廟を退去しました。しかし、民兵の武装解除については反対意見も出ていると報じられています。
ロイター通信などによると調停案では、二十七日午前十時(日本時間午後三時)までにサドル派民兵マハディ軍が廟から退去して武装解除し、米軍はナジャフの治安維持をイラクの治安部隊と警察に委ね郊外に撤退するとしています。
また▽サドル師の移動の自由を保障する▽ナジャフと同北東近郊のクーファは非武装地帯とする▽イラク暫定政府はナジャフとクーファでの戦闘被害者に補償する―ことなども含まれています。
イラク暫定政府のダウード国務担当相は二十六日、調停内容が実行されればサドル師が罪に問われることはなく、民兵にも恩赦が与えられ、アラウィ首相が指示すれば米軍は直ちに現場を去るとのべました。
他方で米軍はまだ態度表明をしていません。
ナジャフでは、米英連合軍占領当局がサドル師影響下の週刊誌を発禁処分したことなどをきっかけに四月から五月にかけて米軍とサドル師の民兵が激しい衝突を繰り返し、イラク人数百人が死亡。八月五日からは、新たに米海兵隊とイラクの治安部隊がサドル師の民兵に対し空爆を含む大規模な攻撃を加え、多数の死傷者が出ています。